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ほんとうにゆずりたかったものは

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読みきれないほどの書物 であったり
いのちあるもの よいもの 美しいもの であったはずなのです。

先日 小学校の先生を退職された方とお話させていただきました。
「私はこの季節…クラスの文集を作るときに この詩を載せたんだよ」と。
先生が子ども達に伝えたかった詩は「ゆずりは」の詩でした(以下全文)

ゆずりは    河合酔茗

こどもたちよ、
これはゆずりはの木です。
このゆずりはは
新しい葉ができると
入れ代わって古い葉が落ちてしまうのです。

こんなに厚い葉
こんなに大きい葉でも
新しい葉ができると無造作に落ちる、
新しい葉にいのちを譲って—。

こどもたちよ、
おまえたちは何をほしがらないでも
すべてのものがおまえたちに譲られるのです。
太陽のまわるかぎり
譲られるものは絶えません。

輝ける大都会も
そっくりおまえたちが譲り受けるものです、
読みきれないほどの書物も。
みんなおまえたちの手に受け取るのです、
幸福なるこどもたちよ、
おまえたちの手はまだ小さいけれど—。

世のおとうさんおかあさんたちは
何一つ持っていかない。
みんなおまえたちに譲っていくために、
いのちあるもの よいもの 美しいものを
一生懸命に造っています。

今おまえたちは気がつかないけれど
ひとりでにいのちは伸びる。
鳥のように歌い花のように笑っている間に
気がついてきます。

そしたらこどもたちよ、
もう一度ゆずりはの木の下に立って
ゆずりはを見る時がくるでしょう。


「しかしなぁ 私たちが残すものは 国の借金と放射能だよ…無念だよなぁ」と。
子ども達を見守ってきた先生の言葉はやっぱり重たい。
しかしながら
ワタシのチカラでは国の借金や放射能を減らすことはできません。
かといって 大したモノをゆずれそうにもありません。
できることがあるとしたら それは
そんな中でも「ちいさな幸せを見つける術」を子どもに教えることくらい…

みなさんは
子どもたちの そのちいさなてのひらに なにをゆずりますか?


さてさて
新しい1週間がはじまりましたね。
小さな手を繋いで ゆっくりやさしく歩みましょう♫




※写真はゆずりはの木ではありません 皇宮屋の大きなタブの木です

by garage-reading | 2012-02-20 21:36 | ことだま